株式会社ムサシ 2025年3月期 第3四半期決算短信 まとめ

投資・資産形成

2025年7月に参議院選挙が控えている。昨年12月には石破首相が衆参ダブル選挙の可能性にも言及した。仮にダブル選挙が実施されれば、39年ぶりの開催となる。選挙関連銘柄の本命であるムサシにとっても、大きな飛躍の年となる可能性が高い。その中で発表された第3四半期決算は、まさに市場の度肝を抜く内容だった。

1. 財務情報の詳細分析

2025年3月期第3四半期における株式会社ムサシの連結業績は、売上高が 282億31百万円(前年同期比14.4%増) となり、力強い成長を見せた。営業利益は 28億35百万円(前年同期比216.9%増)、経常利益は 42億22百万円(前年同期比357.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は 30億94百万円(前年同期比434.7%増) となり、大幅な増益となった。

セグメント別の業績

  • 情報・印刷・産業システム機材:業務用ろ過フィルターの販売が堅調で、工業用検査機材の販売も増加。一方、官公庁向け文書デジタル化事業は若干低調。
  • 金融汎用・選挙システム機材:貨幣処理機器の新貨幣対応や更新需要が増加し、選挙システム機材も好調。
  • 紙・紙加工品:医薬品や化粧品向けの紙器用板紙の販売が好調であったが、印刷用紙や情報用紙は低調。
  • 不動産賃貸・リース事業等:堅調に推移。

財務状況

  • 総資産は 483億96百万円(前期末比7.5%増)
  • 純資産は 334億6百万円(前期末比10.6%増)
  • 自己資本比率は 69.0%(前期67.1%) と健全な財務基盤を維持。
  • 流動資産は 339億30百万円(前期比14億93百万円増)
  • 固定資産は 144億66百万円(前期比18億72百万円増)

負債状況

  • 流動負債は 119億82百万円(前期比51百万円減)
  • 固定負債は 30億8百万円(前期比2億8百万円増)
  • 主要な増減要因は、仕入債務の減少(7億20百万円)、賞与引当金の減少(1億94百万円)、未払法人税等の増加(7億23百万円)など。

流動資産339億円から負債合計150億円を差し引いた純流動資産は189億円。
一方、2025年2月4日現在のムサシの時価総額は135億円であり、経常利益も42億円と高水準を維持していることから、同社は割安感が際立っていると考えられる。

2. 株主還元策

2025年3月期の配当は、中間配当30円、期末配当30円の 年間配当60円(前期比66.7%増) を予定しており、株主への還元を強化している。これは、好調な業績に基づいたもので、持続的な株主価値向上を意識した施策といえる。

2025年2月4日現在、配当利回りは3.52%だが、大幅な増益によって増配期待が高まります

3. 今後の展望

今回の決算で上方修正は出ていないが、当期純利益の進捗率が120%と大幅に超過していることから上方修正の可能性がある。

  • 業績予想
    • 売上高 380億20百万円(前年比14.7%増)
    • 営業利益 23億27百万円(前年比116.0%増)
    • 経常利益 36億57百万円(前年比225.6%増)
    • 親会社株主に帰属する当期純利益 25億79百万円(前年比235.8%増)
    • 1株当たり当期純利益 378.47円
  • 成長戦略
    • 情報・産業システム機材:半導体・精密電子機器向けの業務用ろ過フィルターのさらなる拡販。
    • 金融汎用・選挙システム機材:貨幣処理機器の更新需要取り込みと、選挙機材の需要拡大。
    • 紙・紙加工品:医薬品・化粧品向け板紙の販売強化。
    • 不動産賃貸・リース事業:安定的な収益確保。
  • リスク要因
    • 円安による物価上昇の影響。
    • 官公庁・自治体のデジタル化事業の受注動向。

4. まとめ

株式会社ムサシの2025年3月期第3四半期は、全体的に大幅な増収増益となり、財務基盤も強化された。特に選挙システム機材や貨幣処理機器の需要増加が業績を牽引し、金融汎用・選挙システム機材セグメントが好調だった。株主還元策として配当を大幅に増額し、今後の成長・増配も期待される。

ただし、外部環境の不確実性や官公庁向け事業の低調さなど、今後の業績に影響を及ぼす可能性がある要因も存在する。

免責事項:本記事は、株式会社ムサシの最新決算情報を基に、財務状況、株主還元策、研究開発戦略について解説するものです。本記事の内容は、投資助言や推奨を目的とするものではなく、投資判断は読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。本記事の情報に基づいて生じたいかなる損失についても、当サイト及び執筆者は一切の責任を負いません。投資に関する最終決定は、ご自身で十分な調査を行い、必要に応じて専門家に相談の上で行ってください。

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